2024年08月23日

双極症の論文について

こんにちは、楠木です。


本日は、少し前に双極症のエビリファイ持続性注射剤(ALAI)資材監修の記事で触れた、当院の研究データについてお伝えします。

これは、2023年11月の最新精神医学という医学雑誌で発表した論文で、クリニックではあまり導入が進んでいない双極症に対するALAIの臨床データを解析したものです。

本調査では、ALAI導入前後1年間の再発回数や病相期間を比較しています(N=11)。

結果としては、躁病エピソードの平均再発回数と期間は有意に減少し、うつ病エピソードも平均再発回数や平均病相期間が低下傾向を示しました。そして正常気分でいられる期間が長くなっています。

また気分安定薬の使用を減らせる可能性も示されています。

簡単にまとめると、ALAI導入後は躁・うつどちらも含めて経過が安定して内服薬を減らせる傾向がわかりました。


双極症は治療が難しい疾患であるため少しでも治療成功率を高めるためにデータの蓄積が必要な分野です。

現在も追加データを加えた論文を執筆中です。今後の双極症治療に何らか貢献できればと思います。




カレンダー
«   2024年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリ

最新の日記

月別の日記一覧


  • RSS
  • RSSとは



このページのトップへ

Copyright © Iryohoujinkaiseikai Jinai Shinryojo co.ltd.All Rights Reserved.