2024年08月24日
こんにちは、楠木です。
今回は、7月の講演会活動を簡単に振り返ろうと思います。
7月は毎年講演依頼が多く重なる月で、今年は12件ほど講演しました。
内容は、うつ病、双極症、ADHD、発達障害、漢方など多岐に渡ります。
対象となるのは主に精神科医ですが、会によってはコメディカルの方々も含みます。
地域も幅広かったですね。
南は沖縄から北は青森までありました。
各地域を代表する先生方と接する機会でしたので勉強になりました。
やはり、人に伝えるというのは最もよい勉強方法ですし、関わった先生方から刺激を受けてさらに研鑽ことで自分の技量が磨かれるように思います。
今後も、講演会活動を通して得た知識や技術・モチベーションを患者さんに還元していきたいと思います。
2024年08月23日
こんにちは、楠木です。
本日は、少し前に双極症のエビリファイ持続性注射剤(ALAI)資材監修の記事で触れた、当院の研究データについてお伝えします。
これは、2023年11月の最新精神医学という医学雑誌で発表した論文で、クリニックではあまり導入が進んでいない双極症に対するALAIの臨床データを解析したものです。
本調査では、ALAI導入前後1年間の再発回数や病相期間を比較しています(N=11)。
結果としては、躁病エピソードの平均再発回数と期間は有意に減少し、うつ病エピソードも平均再発回数や平均病相期間が低下傾向を示しました。そして正常気分でいられる期間が長くなっています。
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また気分安定薬の使用を減らせる可能性も示されています。
簡単にまとめると、ALAI導入後は躁・うつどちらも含めて経過が安定して内服薬を減らせる傾向がわかりました。
双極症は治療が難しい疾患であるため少しでも治療成功率を高めるためにデータの蓄積が必要な分野です。
現在も追加データを加えた論文を執筆中です。今後の双極症治療に何らか貢献できればと思います。